
*知名さんが公認心理師国家試験に合格したと連絡がありました。
詳細は沖縄学習センター機関誌「キャンパスニライ101号」9ページで。
https://www.sc.ouj.ac.jp/center/okinawa/about/magazine.html
(2021年12月27日追記)
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私は物心ついた頃から本の虫。小学1年生の冬、図書館で借りたエクトール・アンリ・マロの「Sans famille」に衝撃を受け、私の行動原理を確立させる。こましゃくれたガキだ。
15歳の春から1年間、社会に出てガソリンスタンドで働く。当時愛読した本は加藤諦三氏の「大学で何を学ぶか」であった。学ぶこと、考えることの本質が叙述されていた。
家は豊かでなく、枕元で本を読みたいため、最初の給料で読書灯を買ったのが懐かしい。
同世代と違う道を進んだが「Sans famille」のように「進む」ことが誇らしかった。経済的に安定し1年遅れて高校進学。しかし、大学入試って「何それ、おいしいの?」とばかりの読書三昧。ナマイキな高校生だ。
その後、警察官を拝命。勤務は不規則、かつ、多忙。でも、不思議といつか、大学で学ぶであろうと思っていた。40代後半に放送大学入学。ICT技術の発展によるオンライン授業、放送授業のネット配信等「学び方の多様性」の拡がりが、私に学ぶ活路を与えた。
なお、放送大学で従前から行われていた「web授業」等は、現在のコロナ禍にあって、改めて先見性、優位性を立証した。
勉強は「容赦無く」難易度高し。通信制ゆえ学習は孤独。ハードモード全開だが、面接授業や単位認定試験での先生や学友との接点は魅力だ。特に単位認定試験は老若男女、多様な学生が真剣に答案を解く「厳かで神聖」な場。いつも背筋を伸ばし挑んだ。
面接授業で先生を質問攻めにしてしまったが、正解ではなく示唆を与えていただき、仕事や学習の視野が広がった。国際政治学で高名な高橋和夫教授の赤ペン入りレポートが返送され、思わず手が震えた。一学生に対する真摯な直筆コメントに、放送大学の底力と質の高さを実感した。
私は優秀でなく、「ジェントルメンズC」を嘯き、何とか学生を続けているが、単位や学歴、資格取得の実利はもとより、「生きて躍動する教養」を得る贅沢を享受している。15歳で買った読書灯は今も枕元にあり、私の「学びの燈台」だ。
結びに、ゴリゴリ「職務質問」攻めのナマイキな私に、親しく教え諭していただいた沖縄学習センターT先生、本稿執筆をお声がけいただいたK女史、そして何よりも、今さら柄にもなく大学に進学したいという素っ頓狂な私に、にっこり笑って快諾した妻に、感謝の言葉を贈りたい。
プロフィール(ちな ともつら)
- 1969年 沖縄県生まれ
- 1991年 沖縄県警察官拝命
- 2016年 放送大学全科履修生(心理と教育コース)入学、在籍中
今年は公認心理師国家試験対策に力を入れます。
趣 味 乱読、積ん読、ネコの調教
愛読書 池田 潔 「自由と規律」、小林秀雄 「無常という事」、「学生との対話」、「考えるヒント」
沖縄学習センター https://www.sc.ouj.ac.jp/center/okinawa/
公開日 2021-06-23 最終更新日 2022-01-05