オンライン時代、広がる学びの場  黒須 久美子(くろす くみこ)/ 長崎学習センター

私は、自分や夫の仕事の都合で海外を転々とした後、二〇一六年に夫の再就職を機に長崎県の二次離島に移住しました。帰国したら看護師、助産師として働きたいという気持ちとは裏腹に、高齢過疎が深刻な島には私が働ける場が無く悩んでいました。そんな折に放送大学を知り、離島でキャリアアップするには放送大学への進学しかないと思うようになりました。

修士全科生への進学を決めた頃、島内で唯一の商店が閉店となり、買い物難民支援のために、私自身が小さな商店を経営するという一大決心をしました。お店の切り盛りをする中で、常連の高齢者が買い物にいらっしゃらないと心配になり、遠方の高齢者の安否が気になるようになりました。その小さな心配が私の修士論文の研究テーマとなりました。クラウドファンディングで集めた資金で一五台のタブレット端末を購入し、ITと地域の互助機能を活用した新しい高齢者の見守りシステムを確立しました。小さな二次離島だからこそできた研究が大きな実を結びました。仕事、授業、研究、親の介護と充実しつつも多忙な二年でしたが、学ぶことの楽しさと、先生方の手厚いサポートのおかげで、この春、無事に修了することができました。

修士課程は定期的に行われるゼミに参加する必要があり、特に遠方に住む学生には、それが負担で進学を諦める方がいます。私も修士一年目は一〜二カ月ごとにゼミのために東京まで行っていましたが、時間的にも経済的にも大きな負担でした。しかし、昨年からは新型コロナの影響で、ゼミもオンラインでの開催となりました。このウイルスの蔓延は喜ばしいことではありませんが、多くのことがオンライン化されたことは、私のような離島の学生にとっては恩恵を受けたようにも感じています。これを機に多くのへき地、島嶼部の学生が放送大学での学びの継続や進学にチャレンジしてほしいと思います。私も再度修士選科生として在籍し、更に新しい分野への学びに挑戦したいと考えています。


プロフィール  

黒須 久美子(くろす くみこ)

  • 1970年 愛知県名古屋市生まれ 看護師として名古屋大学病院勤務、その後、青年海外協力隊としてニカラグアで活動。JICA在外健康管理員としてグアテマラにて勤務。

  • 2006年 名古屋大学医学部保健学科に編入学、助産師、保健師の資格を取得
  • 2008年〜2016年 夫の仕事にてスリランカ、タンザニアに滞在

  • 2016年〜現在 五島市久賀島に移住 あおぞらマーケット店主
  • 2021年 放送大学大学院文化科学研究科(修士課程、生活健康科学プログラム)修了
    現在、修士選科生として在学中

※2021年7月26日 本誌掲載の記事です。


長崎学習センター  https://www.sc.ouj.ac.jp/center/nagasaki/

公開日 2021-09-17  最終更新日 2021-09-17

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